※この話はパラレル(に近いもの)です。ご注意ください※ 01 あなたのお名前を教えてください。 (以下坊)「・マクドールです」 (以下2主)「です」 ルック(以下ル)「……ルック」 (以下4主)「」 (以下王子)「・ファレナスだ」 ル「……ちょっと、僕だけ場違いじゃないか。なにこの天魁星コミュニティ」 坊「まあ、と関わる頻度が高いせいじゃないかな」 王子「そんなこと気にしてたら、俺と先生なんか場違いどころか存在抹消レベルだぞ」 02 差し支えなければあなたの年齢をお願いします。 坊「難しいね。それぞれ関わった戦争の開始時で答えようか。僕は14。外見は多分18くらいだけど」 2主「ああ、終結までに四年かかったんでしたっけ? 僕は15、ですね」 4主「17」 王子「俺も15だな。全員十代かよ……つくづく恐ろしいな」 ル「…………」 2主「ルックはどれを基準にしようか。結構色んな戦争に加わってるよね?」 坊「最新のでいいんじゃないかな。じゃあ三十……」 ル「17で。同盟戦争のとき基準で」 03 あなたの気になる人(以下「その人」)の名前を教えてください。 2主「これはさんって指定されてましたねー」 04 その人の性別を教えてください。 2主「女性です」 05 よろしければその人の年齢も教えてください。 2主「……すみません、僕知らないです。誰か知ってます?」 4主「知らん」 王子「興味ない」 坊「そういえば聞いたことなかったなあ」 ル「特に必要でもなかったしね」 06 あなたとその人はどこで出会いましたか?どのような状況でしたか? 2主「さん、気づいたときには捕虜でした。なので城の牢で」 ル「何故か木の下で寝てた」 坊「大怪我してたところに僕が通りかかった」 4主「……言っていいのか、これ」 王子「先生はだめなんじゃないでしょうか。俺の場合は、気づいたら城にいた。ロマンの欠片もねえな」 07 その人に会うにはどこに行けばいいですか? 坊「部屋に行くのが確実かもね。いないときも多いけど」 2主「ですね。僕もさんも城の外に出ることが多かったので、ほとんど会いませんでした」 4主「……これもか」 王子「俺らは制限多いですね。まあ、適当に城をぶらついていたらたまに遭遇した気がする」 ル「魔力を辿れば大抵居場所が分かる」 王子「さすが大魔術師サマ。いつでも闇討ち可能な特技だな、うらやましい」 08 その人が異性と楽しそうに話していたら、あなたはどんな気持ちになりますか? ル「即行邪魔する」 坊「妨害しにいく」 2主「二人とも、これ『質問』ですから。そこまで殺気立たないでください。話すぐらいいいんじゃないですか?」 4主「他者と関わるのは良い事だ」 王子「これで恋愛感情があればまだロマンがあるんだけどな」 2主「さん、以外とロマンチストですね」 王子「というより俺の人生に一番有り得ないものだから、他人のものが見たくなるんだよ」 09 その人に恋人がいたとしたらあなたはどうしますか? 坊「良いと思うよ。僕を納得させられるだけの人物なら」 ル「本人が良いって言うんならいいんじゃないの」 王子「俺はお前らの基準が分からない」 10 その人がもしも神様だったとしたらあなたはどうします? ル「神様より性質が悪い」 4主「同感だ」 11 もしもその人が大嘘つきで、これまであなたに言ってきた全てが嘘だったとしたらあなたはどうします? 王子「あいつ自身、胡散臭さが服着て歩いてるようなもんだからな。今更だ」 4主「必要でない嘘をつくような人間ではない。虚偽があったのなら、それが必要だったのだろう」 2主「想像できないですねー……寧ろ僕らが騙し続けた方ですし」 ル「嘘はお互い様」 坊「娘の嘘なら全部受け入れるのが父親ってものだろう……?」 2主「さん。そんな、『上手いこと言った』みたいな顔されても」 王子「まず、あんたは父親じゃないことを自覚するべきだ」 4主「時には正すことも大切だぞ」 ル「いい加減そのごっこ遊び止めたらどうなの」 坊「ちょっと、なにその総攻撃」 12 最後に、あなたにとってその人はどんな存在ですか? 坊「そりゃもちろん娘……じゃなくて。まあ、妹みたいなもん?年齢知らないけど」 ル「ノーコメント」 2主「大切な仲間です。誰が何と言おうと、仲間です!」 4主「一言では表せない」 王子「赤の他人。いつか本性暴いてやる」 「……と、こんな感じで答えたけど、これでよかったのかい?」 ゆらゆらと七色の靄がたゆたう不思議な空間に、ぽつんと置かれた白いテーブル。備え付けられた5つの白い椅子に、天魁星の四人と一人の天間星が腰掛けている。 ・マクドールは、全員の解答をまとめると、答えた5人の座るテーブルの真向かいに座した小さな影に目を向けた。 「影」は、ぴょこんと立ち上がるとの手から紙を受け取り、ざっと目を通すと、一つ頷く。 「良い」 「そりゃよかった。じゃあとっとと元の『時代』に戻せ」 頬杖を付きながら、至極面倒そうにが言う。影は「やれやれ」と言うように首を振ると、手に持ったワンドをに向けて構えた。 「言っておくが、この場での記憶は残らんぞ」 「願ったりだ」 「……お主らも暇ではなかろうしな。いちいち反論するのも時間の無駄か。では、行くぞ」 集まった魔力がワンドを通しての体を包む。一瞬、目が眩むほどの光が空間を埋め尽くした。それが治まり、後に残ったのは主を失くした椅子が一脚、ぽつんと佇む姿だけだった。 一人、二人と、続けて三人を帰し、影は残る二人を見上げる。 「大きいほうよりよっぽど優秀なんじゃないの」 「光栄だ。が、たとえ成功率が低かろうとも、『あの姿』もわし自身よ。比べ得るものではないわ」 ルックの言葉に、小さな影は幾分不愉快そうに返す。 「もしかしてルック、仕返しとばかりに帰ったときすっごく変な場所に出たりして」 「その可能性は無きにしも非ず。何、わしの失敗は時に思いがけぬ益をもたらす」 「失敗前提に話進めるのやめてくれる? 元の時空にさえ戻れればあとは自分でテレポートするよ」 溜息を吐きながら帰還するルックを見送って、は影と向き合った。 「最後はお主じゃ」 「うん、お願いするよ。でもその前に一つ」 「……聞かれたことには答えるが、さっきも言うたように――」 「『記憶は残らない』でしょ。大丈夫、分かってて聞いてるから」 そうか、とつまらなそうに影が呟く。 記憶に新しい人物をそのまま幼くしたような姿が幾分しゅんとしているのを見ると、言い知れぬ罪悪感がわいてくるが、それもあと少しの間だろうと思い直す。 そして問いかけた。 「君にこの質問を預けたのは、誰?」 影は笑った。 「言うと思うたか」 「思わない。じゃあ、聞き方を変えよう。……そいつは、僕たちの答えを聞いて満足するの?」 おや、と影は意外そうに目を開く。次いで腕を組み、少し思案した後、答えた。 「満足するだろうな、おそらく、この上なく。そうして、直接会えぬ己が身に、幾度目かの絶望を味わう」 「マゾなんだ」 「言いえて妙。諦められぬがゆえ何度も探し、その度傷ついておる。付き合わされるわしの身にもなれ」 「ご愁傷様」 少しもそう思っていないと分かる、清々しいほど綺麗な笑顔では慰めを口にした。 影は溜息をついてワンドを振るう。 「暫し会うこともなかろう。さらばだ」 「それはいつかまた会うってこと?二度とごめんだよ、こんな空間」 「心配するな。わしとてずっとここにいれば気が狂う。いずれ現(うつつ)に戻ろう」 「そう。――じゃあ、またね、ビッキー」 ビッキーの返事を待たずして、の姿は光の中に掻き消えた。残ったのは人のいないテーブルと椅子、そして小さなビッキーが一人。 ワンドをクルクルと弄びながら、ビッキーは解答の書かれた紙を無造作につかみ、七色の空間を歩き出す。 質問の内容はどうでもいいが、結果を渡し損ねれば、後々厄介なほど引き摺られるのだ。 何とも面倒な依頼人だと小さくぼやき、ビッキーは七色の靄の中に姿を消した。 テーブルも椅子もやがて消え去り、後に残るのは無人の空間、そして―― --------------- 質問はPerson様からお借りしたものを編集、一部改訂して使用しています。 配布元:Person(http://neko2.net/person/) 2011.2.1 top |